IT教育の余りにお粗末な現状を知って……・後
予算の問題等もあるらしいが、各校の端末設置数にばらつきがあり過ぎ、基礎的なパソコン知識を持つ教師の数も極めて限られ、せいぜいキーボードとマウスの操作を教えるのが関の山――といった体なのだそうである。我々の研修の担当講師の方らは、「せめて、中学校に“情報科”の授業を!!」という申し入れを続けておられるそうなのだが……。
恐いことである。義務教育現場に於けるIT教育の、ハード面(設備・機材)とソフト面(教員・講師)の充実という最も重要な課題が、自治体や各校の事情に左右されているという現状……。これでは、「正しいIT教育」の実現どころか、何よりの急務であるネット社会の危険性を徹底して教えることさえ、とても覚束ないのではないか。
以前、知人の息子が通う中学校での、インターネット利用に関する学年担当教師の信じられない発言――「我々(学校側)ではとても対応出来ないので、父兄が家庭内に於いてしっかりと管理指導して欲しい」――を聞いた時には、その中学校に限った非常識な事件だとばかり思っていたのであるが……。
我々の世代は、双方向文字図形通信システムの時代から、パソコン通信の時代、そしてインターネットの時代、携帯電話によるネット閲覧の時代――と、必要に迫られて否応なくそれらと接するうち、パソコン&ネットの「常識」「マナー」「脅威」といったものは、自然に覚えていくことになった。しかし、想像を超える凄まじさで進んでしまったネット社会の中で、今の子どもたちは、そうしたことを十分に教えられることも無いままに成長し、ネットの洗礼を受け、その脅威に否応なく巻き込まれて行く……。
最近、HIV感染が「増加」しているという新聞記事を見て、一瞬、信じられなかった。これだけ研究が進み、一般の認識も理解も以前より遙かに深まっている現代なのであるから、減少して当然なのに、逆に増えているとは……。
極論かも知れないが、HIVの問題にしてもネットの問題にしても、最も基本的かつ重要な部分での対策に大きな陥穽が存在するのではないだろうか――つまり、義務教育の場に於ける「HIV予防の為の正しい知識」「ネット利用の為の正しい知識」が、十分に伝えられていないことが、何よりの問題なのではないのか……。
これを、短絡的に「政府や現場の怠慢」と呼ぶことは避けたいけれども、しかし……どうしてもそう思われてならない昨今の私である。






















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