『ぼてじゃこ物語』のこと~ドラマの記憶と小説版を中心に~・5
ここからは、今も記憶しているドラマの場面や台詞を中心に、小説版・新聞縮刷版TV面の記事に助けられながら、やや詳しく物語を辿って行こうと思う。
なお、記憶・小説・新聞記事のそれぞれで微妙に異なる名称や設定については、ひとまず「最も近いと思われるもの」に統一する方向で纏めて行くことにしたい。
参考までに、どのような差異があるかと言うと、例えば、雪子が亡母から教わった人生訓――記憶にあるのは「ぼてじゃこになったらあかんえ」であるが、小説版では「ぼてじゃこになったらいかんえ」となっている。また、第1話を解説する『朝日新聞縮刷版』TV面の記事(朝刊)では、
「細うで繁盛記」の花登筐の脚本による根性ドラマ。亡き母の言葉
―「ぼてじゃこ(びわ湖産のタナゴに似たざこで、飯粒でも釣れる
どん欲な魚)になる」を胸に、懸命に生き、商売を学ぶ女を描く。
――と、あるのだが、亡母の教えは「ぼてじゃこになる」ではなく「ぼてじゃこになってはいけない」なので、これでは大切な言葉の意味あいが正反対になってしまう……。
他にも、堤建設・堤組の名称。記憶にあるのは「堤建設」「堤組」であるが、小説版では「堤川建設」「堤川組」で統一され、新聞では「堤建設」「堤組」と「堤川建設」「堤川組」の双方が使われている。或いは、三松堂の業種。記憶では「菓子問屋」、小説版でも「菓子問屋」だが、新聞では「菓子問屋」「みやげ物屋」と二種類ある。それから、柳食堂の屋号。記憶も小説版でも「柳食堂」なのだが、新聞では「柳屋」「柳食堂」の二種類ある。また、宗六は、小説版では「六男」だが、新聞では「次男」となっている。雪子の実家も、小説版では「草津の雑貨屋」、新聞では「石山のみやげ物屋」である。
なお、『朝日新聞縮刷版』で見る当時のTV面の番組解説記事は、朝刊では解説欄に縦書きで、夕刊では番組表内に横書きで、それぞれ掲載されている。但し、第3話・第7話・第11話・第18話・第19話・第22話・第27話・第28話・第29話・第30話・第31話・第33話・第36話は、朝刊に解説の掲載が無い。また、第4話・第39話(最終回)の放映日は夕刊の休刊日(祝日・年末年始)に当たっており、第27話は夕刊に解説の掲載が無い。(因みに、第27話の放映された10月7日から、裏番組で『女人平家』(TBS系・21:00~21:56)が始まっている)
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