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2009年4月18日 (土)

上坂冬子さんの訃報に思うこと

 上坂冬子さんが亡くなった。数あるノンフィクション作家・評論家の中で、最も尊敬し憧れていた方であり、まだまだお元気で活躍して下さるものとばかり思っていただけに、衝撃は大きい。訃報を知ったのは今日の朝刊であったが、亡くなられたのは14日。78歳であったという。
 以前、田辺聖子さんが「一度はお会いしたい女性」の一人として、上坂さんを挙げておられたのを読んだことがある。私も、一度くらいは講演会に行ってみたいと思っていたのだが、果たせないままになってしまった。
 ファンと言える程には読み込んでいないのだが、精力的で丁寧で綿密な取材に裏打ちされ、冷静に纏められたノンフィクションの数々は、重い主題が扱われているものであっても、どこか読んでいて清々しさえ感じられるものがあったし、その厳しくもユーモラスな日常を垣間見ることの出来る随筆にも、随分と楽しませて戴いた。東京ローズ、九大医学部の生体解剖事件、川島芳子、奄美大島の被爆女性たち、原発問題、北方領土問題、ほか、『おんなの世渡り』『一度は有る事』『冬子の兵法愛子の忍法』『私の人生 私の昭和史』等々が、今、ぱっと思い浮かぶ。
 お母さまの交通事故死をめぐる『一度は有る事』がTBSでドラマ化されたのは、もう四半世紀も前のことであるが、上坂さん役が白川由美さん、末の弟さん役が江藤潤さんであったことを覚えている。当時見た上坂さんのお写真と、白川さんのイメージが正にぴったりであった。
 かなりお年を召して来られてからのお写真を見て、「植田(紳爾)先生に似て来られた」――という、極めて個人的な印象を抱き、それで返って一方的に親近感を増幅させたこともあるのだが、最近、新聞で見るお写真では、和服姿に真っ白な髪が非常に素敵に映っていた。
 少し前に、曽野綾子さんとの対談集が海竜社から出たと知って、早速、出入りの書店さんに発注を掛けたのに、品切れとのことで入手出来ず、再発注したばかりであった。
 産経新聞の「正論」やコラムなどに時折書いておられたが、そうしたお仕事が少なくなっているようなのは、講演や様々な運動がお忙しいからなのだろうか……と、勝手に想像していたら、実は、4年前に卵巣癌の手術をされ、昨年再発して入院され、小学館の《SAPIO》に闘病記を連載しておられたと言う……。
 心から、ご冥福をお祈りしたいと思う。

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2009年4月 2日 (木)

エイプリル・フールと『バカはなおせる』のことなど・後

 同書によれば、恋することによって、大脳基底核という所と腹側被蓋野(A10神経核)という所が働くそうなのだが、この腹側被蓋野が働くと分泌されるドーパミンという物質が、前頭前野、海馬、運動野、運動連合野などの働きも良くする――イコール、脳を良くするいうことらしい。
 しかも、愛を感じていないよりは、感じているほうが脳にいい――恋の相手は架空の人物であっても一向に構わない訳である。要は、脳を良くする、脳や精神を活発に活動させる、その為の手段として、何に対してであれ「恋すること」が何より有効である、ということである。これほど力強い励ましがあるだろうか。
 九郎兄さまであろうが、武蔵であろうが、ドン・ディエゴであろうが、Dであろうが、ロビンであろうが、ムウさまであろうが……とにかく、恋すれば良いのである。彼らとコミュニケーションをとる為の手段としての、書籍やDVDの購入という行動も、関連する映像作品や舞台などの鑑賞も、同好の士らと共にその魅力を語り合うことも、どれを取っても「脳に良いこと」であるなら、最早、何を遠慮することやある!! である。(ここまで拡大解釈する奴もそうはおるまいか……いや、これは決して、曲解でも誤解でもない筈である)
 昔、九郎兄さまへの思いを、
   恋すれど心むなしや我が君はことだまの野におはしますれば
 ――という腰折れに詠んだことがあるが、こうなって来ると、最早「心むなしや」どころではない。活字の中の主人公であろうが、銀幕の中の俳優であろうが、歴史の中の英雄であろうが、とにかく「夢中で恋すれば」良いのである。
 これは――福音以外の何ものでもないではないか。
   脳、刺激せよ
   恋せよ人よ
   恋こそ生くる
   力の源泉
 もしかしたら、韓流の純愛ドラマに夢中なおばさま方が、素晴らしく活動的で行動的で活力に溢れて輝いて見えるのは、その最も顕著な例かも知れない。
 無論……現実の世界に、そのような対象が存在するのであれば、それ以上のことはないのだけれども……。
(「ぼくは、いつでもクレア☆に恋してるから、大丈夫だも~ん☆」ひつじ談――勝手に永遠にのろけとれ!!)

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2009年4月 1日 (水)

エイプリル・フールと『バカはなおせる』のことなど・前

 エイプリル・フールである。
 今年も、面白いeカードがあれば友人知人らに送ろうと、楽天グリーティングで探してみたのだが……余りピンと来る新作を見つけることが出来なかったので、例の「四月一日抗議デモひつじ」に再登場願うことにした。
「ひとをだますのはよくない!」「エイプリルフールはんたーい!」と書かれたプラカードを手に、必死の訴えをしているひつじ之図――それに、こんなメッセージを添えてみた。
「うちの☆沢が、恋わずらいで激痩せなんて、あり得な~い!!」
 誰がそんな厚かましいことを言うかいっ!! 放っとけっ!! と、ひつじに拳を振り上げてみても……う~ん、何とも言えず、虚しいものが……。(しかし、幾つかの切実な問題もあるので、目方はもうちょっと落としたいものである)

 所で、エイプリル・フールと言えば四月馬鹿、馬鹿と言えば――三年ほど前に読んだ本に、非常に面白いものがあった。
 久保田競氏の『バカはなおせる:脳を鍛える習慣、悪くする習慣』(アスキー/刊)で、これは、何と言うか……私にとっては一種の福音書であった。
 著者は、各方面で話題になっている川嶋隆太教授や泰羅雅登教授らの師に当たる方で、教え子二人の論にも少々苦言を呈しておられたりしている点なども楽しいのであるが、中でも、何より心強く感じたのは、次のような記述である。

   「Journal of Neurophysiology」誌の二〇〇五年六月号では、「恋愛は脳に良い」
   という報告もなされました。(中略)恋愛の対象は、身近な人なら会話ができてベ
   ストでしょうが、スマップやモーニング娘。などのアイドルや、アニメやゲームの
   キャラクターなどでもいいとわたしは思います。愛を感じていないよりは、感じて
   いるほうが脳にいいのです。(p.57より引用)

    いっぽう、独身で恋愛を自由にたくさんしているというのは、脳にはとても良い
   です。好きな人と会話をするのはもちろん、インターネットや電子メールを使って、
   言葉をかわすだけでも構いません。(中略)恋愛対象はアイドルや、漫画やアニメ
   のキャラクターでもいいのですが(愛がない場合よりも、脳はより発達します)、
   コミュニケーションがとれる分、身近な人間相手のほうがいいでしょう。それがダ
   メなら、相手はペットでもけっこうです。(p.163-164より引用)

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