この冬一番の「憧れのささやかな贅沢」――湯たんぽ
ここに来て、長年の憧れであった「湯たんぽ」に、随分とはまっている。恐らく、私の中で、この冬一番のヒットであろう。
どんな湯たんぽかと言えば、今年の誕生日に知人から贈られた、ほんやら堂の「おやすみ羊」のシリーズで、湯たんぽ本体部分がピンクのハート型をしているものである。形状的には多少使い勝手が良くないのだが(湯沸かしポットからだとお湯が注ぎにくく、付属のひつじ型カバー以外のものでは包みにくい)、丁度良い暖かさといい、安全性といい、もう、少々のことでは手放せない位に気に入ってしまっている。こんなことなら、貰ってすぐ使い始めれば良かったなぁ……と、今さらながらに思う。(実は……就寝中に「ひつじを足蹴にする」可能性が高いことから、使用が躊躇されたのである。目下は、中身だけをバスタオルでぐるぐる巻きにして使用中。湯たんぽにも、使い方によっては低温火傷の可能性があるので、そこは要注意である)
思えば――小さい頃、たまたま読んだ本で湯たんぽの長所を色々と知って、すっかり心引かれ、「湯たんぽ、欲しい」と口にするなり、例によって「阿呆か」「いつの時代の人間や」と、また変人扱いされて買って貰えず、以来、延々と憧れ続けて来た。まぁ、その頃はもう、余程に老舗の荒物屋さん位でしか扱いがなく、購入すること事態が困難でもあったから、仕方なかったと言えば仕方なかったのではあるが。
当時、我家の就寝時の保温対策は、豆炭あんか→電気あんか→電気敷毛布――と変化して行っていたのだが、豆炭あんかの比類ない暖かさは今も認めるものの、幼稚園の頃から三度に渡って就寝中に足に火傷(直径2cmほどの水泡が出来て、現在も跡が残っている)を負ったし、また、電気あんかや電気敷毛布は、余裕のない朝など、つい起床後に消し忘れて叱られることが多かった。更に、我家の洗面所ではお湯が使えなかったので、冬の朝、お湯で洗顔出来る生活には、随分と憧れたものである。
ここ何年か、湯たんぽの効用が様々に見直され、ちょっとした雑貨屋さんでも扱われるようになった上に、色々な材質・形状・大きさのものが開発されて、選べる楽しみが加わったのも歓迎したいが、とにかく、世間の評価以前に、「火傷もせず、消し忘れもなく、翌朝、ぬるま湯で顔が洗える」――今になってやっと実現した、この「憧れのささやかな贅沢」が何より嬉しく、当分ははまり続けそうな私である。
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