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2007年11月 6日 (火)

「四つの『パラサイト・イヴ』」を巡るあれこれ・その十一

 かくして、ラジオドラマ版、原作小説、劇画版、映画版――の四つを自分なりに見聞した上で、何やかやと感じ取ったことを書き綴って来た訳であるが、そろそろ纏めに入る意味から、例によって、おこがましさの極みとも言える「星沢式わがまま採点」を、これら四つの作品に対しても試みてみようと思う。
 100点満点で無理矢理に点数を付けるならば、私の感覚では、ラジオドラマ版が120点、原作小説が80点、劇画版が90点、映画版が60点……といった感じである。あくまでも、私の個人的な価値観・尺度で採点してみた結果である。
 ラジオドラマに関しては、私としては何一つ文句の付けようのない仕上がりである。CD6枚に及ぶ上演時間を「長過ぎる」と感じられる向きもあるかも知れないが、連続ドラマであるから長いのは当然であるし、私には全く気にならなかった。強いて難を挙げるならば、塩沢さんの出番が少ないということだけである。しかし、役柄としては全く過不足のない扱いであるから、これは減点の対象にはならない。
 原作小説に関しては、専門用語が多用されていることの難しさについては、題材が題材であるから当然のことだと考える。ただ、先にラジオドラマを聞いてから読んだ身には、例えば、麻理子がかつて免疫抑制剤を捨てた理由や、研究室に残された「Eve2」以下の処理の仕方、篠原医師の浅倉佐知子への思い……などを中心に、少々物足りなさを感じる部分が複数箇所あったので、偉そうにも減点させて戴いてしまった。
 劇画に関しては、原作を忠実に再現すると同時に、部分的に原作以上の説得力を加味して、より自然で必然的で判りやすい設定に変えていること、神話的・宗教的なイメージの挿入によって(これは、原作者も後記で褒めておられる)また新たな魅力を増し加えることに成功していること……などから、本当は100点と考えたのだが、時折画面に入る“遊び”の部分(錫杖を持った袴の少年、中指を立てて舌を出したイヴなど)が、今一つよく解らなかったので、少し減点させて戴いた。
 映画に関しては、もう、惜しい……の一言である。あれだけの原作が生かされ切っていない恨みは、相当に大きい。制作からちょうど10年になるし、その後のより発達したCG技術を駆使して、そろそろリメイク版やアニメ版が作られても良い頃ではないかと思う。
 ――様々にご意見もあることとは思うが、私自身の評価は、ほぼ、こんな感じである。

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