「果敢ない(かかんない)」という奇妙な振り仮名のこと・続々
先月25日にこの文の「続」を書いて以来、どうしようもなく「元々の歌詞のルビ」が気になってならず、何とかフルコーラスが収録されている当時のCDが手に入らないだろうか……と、勤め帰りに中古CD店などを相当探してみたのだが、残念ながら空振りばかりであった。何せ、初めてこの曲を聞いたのでさえ、もう九年近く前のことになるのである。
所が今日、また別の知人から「雑記を読んで……」とメールがあり、この件の真相を初めて知って……正直、暗澹たる思いに沈み込んでいる。
それによると、件の曲のフルコーラスは、知人が所有しているアルバム(2000年11月発売)とシングルCD(2003年6月発売)に収録されており、シングルCDの方はアレンジの違う新録だそうなのだが、いずれもブックレットの歌詞にはルビがなく、そうして、実際の曲では――明らかに「かかんない」と、歌われているそうなのである……。
私が初めてこの曲の一番をCDで聞いたのが1998年の6月、カラオケで初めて歌って二番の「奇妙な振り仮名」に気づいたのが2003年の4月――となると、その2ヶ月後に新録のシングルCDが発売された時点では、まだ、その読みのままで通っていたことになる。
現在は、どうなのだろうか。作詞者の方は、スタッフの方々は、そして何より、実際にこの曲を歌っておられた四人の声優さんらは、この3年8ヶ月余りの間に、既に気づいておられるのだろうか。もし、気づいておられるなら……どれほど取り返しのつかない深い傷を心に負い、どんなに居たたまれない思いに苛まれ続けておられることだろうか……。
作品自体は、余りに残虐な描写や救いの無い設定が多く、決して好きな部類のものではなかった。塩沢さんが出ておられる挿話が無ければ、多分、手に取ることもなく、題名も知らないままで過ごしていたに違いない。しかし、この曲は、歌詞も旋律も歌唱も、結構印象が良くて気に入っていたものだけに、もう、悔しいとも悲しいとも辛いともつかないような……こちらまで身の置き所の無いような気持ちで一杯になってしまう。一度、フルコーラスを聞いてみたい、とは思っていたが、この真相を知ってしまった上ではもう、とてもではないが、その勇気は無い。
カラオケ会社の方には非常に申し訳ないのだが、本当に身勝手ではあるけれども、あれは「カラオケ映像制作時の歌詞入力ミス」であって欲しかった……そんな風に思う。
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