『新選組!』最終回に思うこと
『新選組!』が、今日やっと最終回を迎える。何とも言えない安堵感を覚える。このような書き方をすると、それほどまでに出来の悪い作品であったとでも言うのかとお叱りを受けるかも知れないが、決してそうではない。第一、私はこの作品を、第一回目の放送と、あと飛び飛びにもう二回、合計三回分しか見たことがないので、作品そのものに対する評価や批評など言える立場にない。この安堵感は、全く違う理由によるものである。
それは、本当に身勝手な理由ではあるのだが――これでやっと、思わぬ所で土方歳三の写真を目にしてしまう危険性が少しだけ減る……という所から来る安堵感なのである。大河ドラマの放映中は、記念のイベントや関連の番組や便乗の出版物が次々と企画されるから、うっかり油断していると、どこでいきなりあの写真が目に飛び込んで来るか判らない。自分でも大袈裟だとは思うが、この一年、私はそうした不安を常に抱きながら過ごして来たのである。
何故、土方歳三の写真を見るのがそこまで辛いのかと言うと、理由は単純である。現存する土方歳三の写真は、塩沢さんにどこか似た面差しを持っているのである。それだから、目にする度に「わぁ……」と、何とも表現し難い辛さ・悲しさに襲われてしまうのである。
初めて土方歳三の写真を見たのは、昭和五十一年の夏である。この年の七月雪組公演が汀夏子さん主演の『星影の人―沖田総司の青春―』であったことから、それまで余り気に留めていなかった新撰組というものに少し興味を覚え、実在の近藤勇、土方歳三、沖田総司らの写真を見る機会があった。それが割合よく記憶に残っていたらしく、平成三年にオーディオ・ドラマ『新撰組異聞 蒼き狼たちの神話 1 天動』の発売が決まり、塩沢さんが土方歳三を演じられる、と知った時、一番先に思ったのが「おや、これはまた、ご自分と似た顔の人物を演じられることになったな」――というものであった。関連のCDは合計三枚発売され、塩沢さんの土方役はファンの間でも評判が良く、私にとっても思い出深い作品の一つに数えられるものとなっている。
ともあれ、今日のこの日に、こんな身勝手な理由から「ほーっ」と深く胸を撫で降ろすような人間は……日本広しと言えども、多分、私くらいなものであろう。我ながら……つくづく変わった奴である。
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